ナックル交換|ナックル外せりゃ何でもできるさ

正直なところ素人DIYでここまでバラせるとは思いませんでした。

異音の原因はナックル?

昨年辺りからフロントの下の方から”ゴワゴワゴワゴワゴワ・・・・”っという車軸と同調している異音が出るようになってきた。

少~しずつ音が大きくなっているような・・・・でもどうしても場所が特定できない。

車軸回転系異音の原因として考えられるのは
・ブレーキの引きずり・・・・メンテしてるしパッドも均等に消耗している
・ハブベアリング・・・・昨年グリースアップしているしアウターは交換しても異音に変化なし

ということでナックルを疑うことになった。ナックルにもベアリングがあるし、以前信頼している整備士の方が「ナックルが歪んでいるとベアリングみたいな異音が出るんだよなぁ」と言ってたのを思い出した。

邪魔な物は全て取り去る

タイヤを外したら真っ先にABSセンサーのコネクタと12mmのボルト、クリップからハーネスを外します。

次にブレーキを外します。ブレーキはメガネレンチをかけてハンマーでガンガンとレンチを叩けば緩みます。遮蔽版と連結している10mmを外すのを忘れずに外す。

今度はハブ中央のキャップをレバー2本で外します。

スナップリングプライヤーなどを使ってスナップリングとリングを取り去り
14mmのボルト6本抜いてハブカバーを外しロックワッシャを固定しているビス2本を外して
ロックワッシャを外しロックナットをドライバーなどを使って回して取り去ります。

アウターベアリングが手前に転がり落ちてこないように開口部に親指を添えながらローターを引っ張り出します。

ちなみにロックワッシャを固定している+ネジ2本は並みの力では回せないので、ドライバーの芯が四角になっていてモンキーを使えるようなモノがあると簡単に緩めたり締め付けたりできて便利です。

ハンマードライバーは必須!

あともう少しでナックルが見えるのにナックルを視界からさえぎる鉄板ダストシールド。

この鉄板を留めているビスは必ずハンマードライバーを使います。

私はロックワッシャと同様にドライバーとモンキーを使って緩めようと試みましたがいきなりナメてしまいました。

ハンマードライバーを使うにしても最初はコンコンコンコンと軽く叩いてしっかりビットとネジが食いついてから叩き加減を強めていくと失敗が無いようです。

慣れると簡単に緩めや締め付けができるようになります。逆にハンマードライバーが無いなら決して手を付けてはいけない部分でもあるでしょうね。

ボールジョイントには外す順番がある

ナックルとボールジョイントを切り離すのに車載ジャッキを使う関係上、切り離す順番はタイロッドエンド→ロアーアーム→アッパーアームの順番がイイと思いました。

先ずそれぞれの回り止めのピンを抜きます。

次にタイロッドエンド19mmアッパー・ロアーアーム24mmのナットを緩めます。この時緩めるだけでナットはまだ付けっぱなしです。

ちなみにアッパーアームのナットを回す時に使うメガネレンチやラチェットのボックスは”薄肉タイプ”を使わないとナックルが邪魔してしっかりハマらないので注意。

次に車載ジャッキを入れるため最初にタイロッドエンドを切り離すためナックルを叩きます。

各ボールジョイントの接合部はテーパー状になっていてナットを緩めても早々に外れたりしません。

本来はプーラーを使うのでしょうけど、プーラーを使うとダストブーツを傷めてしまうらしいので使わずにひたすら叩きました。

ただ叩くよりも写真のようにナックルに当てたハンマーをハンマーで叩くようなやり方だとナックルにより強い衝撃を与える事ができるようです。

叩いた回数ははっきり思えていませんが、タイロッドエンド10回アッパーアームボールジョイントが20回ロアーアームボールジョイントが50回・・・・・(汗)でした。

ジャッキは2個あると便利

タイロッドエンドが落ちたらスグに切り離さないで今度はロアーアームを落としにかかります。タイロッドエンドを切り離さない理由はロアーアームボールジョイントにジャッキをかけて叩く時にナックルが動きにくいようにするためです。

ロアーアームボールジョイントのナット部分に車載ジャッキをかけて適度に持ち上げたらテーパー部分を叩いて落とします。

落ちたらジャッキとナットが離れない程度に下げて、今度はロアーアームとアッパーアームの間に別のジャッキをかけます。

私はこの時点でタイロッドエンドを切り離してもう一個の車載ジャッキを仕掛けました。

こうしてアッパーアームボールジョイントとロアーアームボールジョイントの間を広げるような張力を作ってアッパーアームボールジョイントのテーパー部分を叩いて落とします。

このようにしてやることでアッパーアームとロアーアームを押し広げる張力によってロアーアームボールジョイントが再度ナックルに強く刺さるのを防ぐことができます。

両方とも落ちたらナットを取り去りアッパーアームとロアーアームの間に仕掛けたジャッキをキリキリ上げながらアッパーアームボールジョイントをナックルから切り離します。

アッパーアームボールジョイントを外したら今度はナックルを引っ張るようにドライブシャフトを抜きながらロアーアームボールジョイントを抜きます。

ナックルのベアリングはサビだらけ?

ナックルを外してみると意外にも錆びだらけ。

ナックルのベアリングから出てきたであろうサビがドライブシャフトまでびっしり染み渡り黄土色になっています。

そういえば以前ハブベアリングのグリースアップを行う時にドライブシャフト先端からやけにサビが出てきているなぁと思っていたら・・・・原因はナックルのニードルベアリングだったんですね。

これだけナックルのニードルベアリングが痛んでいれば・・・・異音の原因はコレか?

っという期待が胸をかすめますがもし違ったら後でガッカリしますので、余計な期待はせずに交換用のナックルをグリースアップして組み付けます。

しかしここまでサビが酷いとナックルのニードルベアリングが当たっていたシャフトにもだいぶダメージがあったのではないか?っと思います。目視では何ともないですがこのような状態では交換用のドライブシャフトを用意しておいた方がいいだろうなと感じました。

リビルドのドライブシャフトはこちら

ナックルの組み付けはしっかり圧着して

ナックルは取り去る時の逆手順でドライブシャフトを入れながらロアーアームボールジョイントにテーパー部分をはめ込んでアッパーアームボールジョイントのテーパー部分をはめ込みます。

タイロッドエンドもそうなんですが、テーパー部分がちゃんとハマってないとボールジョイントですからナットと供回りして締め付けることができません。

そこでナックルを入れてナットを仮締めしたらアッパーアームとロアーアームの間にジャッキを入れて突っ張りロアーアームボールジョイントとロアーアームを圧着させて念のためハンマーでナックルを叩けばテーパー部分がしっかりハマるのでナットもしっかり締め付けることができます。

その後ジャッキを外せばトーションバーの力によっておのずとアッパーアームは下方向へ押し下げようとするのでロアーアームボールジョイントと同様にハンマーで叩いて圧着させてナットを締め付けます。

写真では既にタイロッドエンドが組みつけられていますがジャッキが入れにくいので最後にした方がいいかもしれませんね。

ちゃんとやらないとガチーン!

このナックルとボールジョイントの組みつけがキチンとできていないまま走行するとコーナーリング中に”ガチーン!”というビックリするような音に見舞われます(経験済み)

テーパー部分がちゃんとハマってなくてもナットがしっかり締め付けれる時もあるんですね。だからナットを締め付ける前にハンマーで叩くのがいいと思います。

鉄と鉄を着脱させるには振動が一番。

復旧は解体と同じチカラで

トルクレンチを使って各所指定トルクで締め付ければ最もいいのは解っているんですが私はいつも感覚的に外す時と同じやり方同じ力加減で復旧するようにしています。

テコで緩めた物はテコで締め付け。ハンマーで緩めた物はハンマーで同程度叩く。ハンマードライバーで緩めたビスはハンマードライバーで締め付ける。

こんなやり方で今まで問題無しです。

ロックナットとワッシャの穴

ドライブシャフトにローターを入れてアウターベアリングを入れた後ロックナットとロックワッシャを入れますがこの時ロックナットのネジ穴とロックワッシャの穴が合わない時があります。

まぁ合わなくてある意味当然なんですがこういう時は”ロックナットを緩め方向に回して穴の位置を合わせます”

要はハブベアリングの締め付け過ぎは良くないのでしょう。正規にはに
一旦ロックナットを~kg/cmの力で締め付けてから一旦完全に緩めて再度~kg/cmの力で締め付けてロックナットとロックワッシャの穴を緩め方向で合わせて・・・・

っとなってますが、私はいつもアウターベアリングを指で押し込みながらローターを回してガタが無いようならロックナットを入れてドライバーなどを2本使って手締め!その後ローターを回してみて一旦緩めて再度締め付けてロックワッシャを入れて穴が合えばビスを入れるし合わなければ緩め方向で合わせます。

こんなんで何の問題もないようですよ。

ナックル交換後のインプレ

復旧して走り出した時に一瞬「直ったッ!」って思ったんですがやっぱり直ってませんでした。残念。

でも全体的に異音のボリュームが減っていることは事実。やっぱりナックルは異音の原因の一端を担っていたようです。

ただおもしろいことにナックルを交換したら乗り心地に変化がありました。
道路のへこみをモロに拾うとドーンと響いていたのが今はあまり響かなくなりました。やっぱり後心地や操舵感ッてヤツはショックアブソーバーとアライメントだけで作れる物ではないのだという事をしみじみ実感。

本当はここまでバラすんならボールジョイントや各ベアリングを全て新品と交換すればメチャメチャ乗り心地と操舵感が向上するんだろうとは思うんですが予算とDIYの都合上中古部品を使わざるを得ませんでした。

ま、でも本来部品交換無しで30万キロ以上乗りたいと思っていたところ、ガマンできない異音の解消に努めているわけで、それはそれでいいのかな?とも思ったりして。

今度はドライブシャフトの交換かぁ。