デリカスペースギアのホイールアライメント調整・作業編

現在のデータを取っておく

できる限り平らな場所で測定します。平らな場所が無い場合はレーザー墨だし機の水平ラインを使って低い所にベニヤ板などを敷いたりして水平な状態を作ってやるといいかもしれません。

私のホイールには”ハブキャップ”が付いているので、そのハブキャップから100mm程度の所でレーザー光線を車体に対して平行に照射して、運転席側と助手席側両方ともレーザー光線からホイールまでの距離を測定した結果

<トー>
運転席側:1mm out
助手席側:3mm in
TOTAL:2mm トーイン

<キャンバー>
運転席側:10mmネガティブ
助手席側:6mmネガティブ
TOTAL:16mmネガティブ

※数値はホイール上下左右差です

という結果!コレは完全にメチャクチャな数値!(特にキャンバー)コレでは走行中ハンドルを取られても仕方ありませんね。

いつこんなに狂ったんだろう・・・

規定値のトー、キャンバーとも”0”を目指して作業開始!

先ずはキャンバー修正|アルミホイールを敷いてみた

アライメントの調整は”接地した状態”で行わなければいけませんが、

普通に停車した状態では作業がしづらいので、大型のガレージジャッキを使ってジャッキアップして、タイヤの下にタイヤの付いていないアルミホイールを置いてみました。そうすることで変芯ボルトではなくホイールを叩くことでキャンバーを調整できると思ったから(実際はできませんでした)

私は4輪とも上げましたが前輪だけでよかったかも。

タイヤの付いていないホイールは真ん中がへこんでいるような形状だったので脱輪しにくく安定感もGOOD!でした。ちなみにホイールにタイヤが付いていると大き過ぎて作業ができない。

もしタイヤの下に表面が平らな物を置いて使うのならサイドブレーキをしっかり引いてミッションマウント付近にガレージジャッキを当てるとか歯止めをするなど車体の落下防止対策をバッチリ行います。

万が一のために初期値の記録とマーキング

万が一”現状に戻したい”と思った時のためにレーザー光からの数値と、偏芯ボルトの位置をマーキングしておけば、元に戻したい時に役に立つと思いました。

作業前のデータを取ったら前側19mm後ろ側22mmのナットはかなり硬く締め付けてありますがハンマーや足を使って緩めます。

結構激しい調整?

私の場合はキャンバーが大きく狂っていたので

最初はタイヤの乗っているホイールを大ハンマーでぶっ叩いてある程度ポジティブ側に入ったところで一旦レーザーで確認して、今度は車の下にもぐりこんで最初の数値から”0”になるように偏芯ボルトで引っ張りました。

タイヤは動かずとも所詮空気の入ったゴムなんで、ロアーアームは意外にも簡単に動きます。

”調整”のつもりが最大限引っ張る事に!

作業前は「前側と後ろ側の調整加減をどうしようか・・・・」などと考えていましたが、結局左右両輪、前側後ろ側とも目一杯ロアーアームで引っ張る事になりました。

それでもキャンバーを”0”にはできずホンの少しですがネガティブ気味です。もちろん許容値以内だと思いますが。

原因は恐らく棒スプリングやアーム類のブッシュのヘタリでしょう。
ロアーアームの偏芯ボルトはあくまでも新車時の微調整のためのものでしょうから、そんなに大きく動かせるものではないんでしょうね。

ちなみに後ろ側の偏芯ボルトはなぜか左右とも目盛り一杯まで回すことができず、真ん中の0地点から半分くらいで回すことができなくなりました。なぜだろう・・・

クルマを降ろしてトー調整

ロアーアームを本締めしてクルマを降ろしたら、再度キャンバーの微調整に備えてアンダーカバーは復旧せずにチョいと試運転してからトー調整に入ります。

タイロッドの調整は普通に接地したままで行いました。トーの調整は左右両方のタイロッドで行います。なぜなら片側だけで行うとセンターがズレて真っ直ぐ走っててもハンドルが真っ直ぐじゃなくなっちゃうから。

タイロッドエンド脇のナットをモンキーで緩めて13mmのスパナでタイロッドを回して調整します。

タイロッドはホンの少し回しただけで数ミリ変化します。感覚的には左右両方1/4回転くらいで1mmってかんじだったかなぁ。一旦”0″で試運転してみましたが少しハンドルが軽いような感じ。私は少しどっしり感が欲しかったのでTOTAL”1mm”インにしました。

トーもキャンバーも一発でキマらない

ここでの文章では”サクッ”とやったように感じるかもしれませんが、実は測定と調整の繰り返しでした。7回くらいガレージジャッキでボディを高々と持ち上げたので結構疲れました。結局ロアーアームを目一杯引っ張り込む羽目になるんだったら最初からそうしていればよかった・・・・

今度アライメントの調整する時は木製のくさびのようなモノを作ってそれに乗り上げて作業した方がイイと思いました。

今回の調整でわかった事とは?

◆クルマはタイヤの傾いている方へ走っていく

キャンバーが正しくない場合クルマはタイヤの傾いている方へ流れていきます。

◆ハンドルが戻ってこない

普通は目一杯ハンドルを切った後自然と戻ってきますがトーインがキツいと戻ってきません。

◆トーアウトは意外に快適!だが

トーアウトは切れ込むようなコーナリングの感覚はいいような気がしますが直進時、道路の傾斜に流されます。

◆メーカー基準値が最も快適

この事が判ったということが実は今回の作業で最も大きな収穫でした。”鬼キャン”と称する極端なネガキャンで走っている車があるくらいですから、キャンバーはネガティブ気味の方がいい。直進性能が上がるからトーはインにこしたことは無い!っという漠然とした思い込みが完全な勘違いであることをしみじみ思い知らされる作業でした。