前期型と後期型の最も違うところは走行性能
前回の記事の続きになりますが、走りがまるで違います。
僕は過去に期型4M40型エンジンを積んだ“パジェロ”に乗っていたのでその違いがハッキリとわかります。先ず
出足が違います。
アクセルベタ踏みでも前期はスタートダッシュがモタつくんですよね。
このもたつきを何とかしたくてATFを変えてみたりATFの添加剤を使用してみたりしましたが改善できませんでした。
機械的な理由でもたつくのであればオイルを変えたくらいでどうにかできるはずは無いんですね。
それともう一つ後期の特筆すべき特徴は
不得意な速度域がない
ということでしょう。前期だとスタートダッシュがもたつくのはもちろんですがその他の速度域でも例えば、40km/hくらいでベタ踏みしてもローギアにキックダウンするには速度が速すぎてキックダウンしない。で、結局2速の低回転で加速せざるを得なかったり、80km/hくらいでアクセルを8~9割くらい踏み込んでもODのまま加速しようとします。
加速が物足りないのでベタ踏みすると3速にキックダウンします。しかし今度はエンジン回転が高過ぎてエンジンがうなり、うるさいですしそのわりにはそれほどの加速感は感じません。
そういう前期では不得意な速度域でも後期型4M40エンジンは、非常にいい感じでミッションが滑るように、最もトルクの出る回転域で加速していきます。
同じエンジン形式でもミッションは雲泥の差
この違いは大き過ぎるほど大きいですね。
前期のパジェロに乗っていた頃はこういうミッションのクセがいつもストレスになっていました。
仮にエンジンが前期のままでも、ミッションが後期型のミッションになっていれば十分満足できる走行性能を楽しむことができていたと思います。
ま、でもどのみち前期型4M40エンジンの欠陥は噴射ポンプのシャフトとパッキンの造りを間違えていたという事実なので、どんなに素晴らしいミッションを積んでいたとしても・・・・
エンストと黒煙が酷いというそしりからは逃れられなかったとは思いますけどね。
驚くほど黒煙が出ない後期型!
前期型の4M40は本当に黒煙が凄かった!フル加速すると後続車が全く見えなくなるほど黒煙を吐きましたからね(笑)
それに比べると、比べようも無いほど後期は煙が出ません!
あまりにも排気煙が出ないので、この車を買ったばかりのころは
「前のパジェロの時はこういう時にメチャクチャ煙吐くんだよなぁ」
ってトコで、前期型4M40エンジンだと最も黒煙が出やすいシチューションで黒煙を吐かせようと思ってアクセルを踏んでも・・・・黒煙が出ない。
ちなみに同時期のトヨタの1KZと比べても少ないです。1KZを積んだハイエースやサーフ、プラドなどの後ろについた時に注意してよ~く見ていると、走り出しや加速の時にはやっぱりそれなりマフラーの先端から黒煙が出てますが、後期の4M40からは煙が全く見えません。
4Mの黒煙の凄さを知ってる知人が僕の後ろを走った後日「このクルマって本当に黒煙出ないんですねぇ」って本当に驚いていましたよ。
賢い電制ミッション
冒頭でもお伝えしましたがミッションが非常に“賢い”!
坂道や停車する時にシフトレバーでエンジンブレーキをかけた時の変速ショックがありません。
前期型だと走行中に2速に落としてエンジンブレーキをかけると、ドーンっと突然減速するんですが後期は柔らかぁ~な感じでつないでくれます。2速→1速の時もそうです。
下り坂だと勝手にODから3速にギヤが落ちます。何か勾配でも読み取っているんでしょうかね?交差点で停車する時も速度が落ちるごとに3速→2速→1速と静かに落ちます。
停止直前に1速まで落ちているので停車直前に再加速しても“ドンッ!”とか“ガクガク”なんていう変な衝撃も一切無しです。
後期の電制ミッションはINVECS-IIが投入されています。詳細は知りませんが^^;
“ドライバーのアクセルワークに応じたベストな変速タイミングを学習する・・・・”
っとあります。古いクルマなんですが、現在の車のミッションと同等の性能を有しているかもしれませんね。壊れやすい高性能ならはいりませんが、壊れないので◎です。
後期のATFは【無交換】だが交換すべし!
前期4M40のATFは確か・・・8万キロ毎の交換だったかな。私の乗っている後期H11年式は【無交換】となっています。【無交換】だから交換しなくてもいいのか?といえば、それはチョッと違うようです。
以前仕事で知り合ったリビルドミッション専門会社の社長さんとお話しする機会があり、その時に
■無交換と書いてあるATFは本当に交換しなくてもいいのか?
■過走行したミッションのATFは何度か小分けに交換すればOK?
この辺を聞いてみました。するとこんな答えが・・・・
「ATFは永く乗りたいのであれば交換の必要があります。」
「過走行したミッションのATFは少量でも絶対に交換しない方がいいです。」
っという答えが返ってきた。
ではなぜ?【無交換】と書いてあるのか?
それは・・・ミッションがトラブってクレーム修理を求められた際に、ディーラーのオイル管理が悪いのか?ユーザーのオイル管理が悪いのか?判定が難しいので・・・
いっそのことATFに触らないでくれェェェェェェ
っと言う意味らしい^^;次に
小分けでもATFを交換しない方がいい理由は
過走行したミッションのATFを小分けでも交換がNGの理由は、ミッション内のヨゴレが内蔵されているフィルターだけではなく、ミッション内壁などあちこちにへばりついているそうで
清浄力の強い新しいATFが入るとそのへばりついているヨゴレが剥がされて更にフィルターへ向う。
するとその後スグにフィルターが詰まる・・・
なので小分けでも交換しない方がいいとのこと。
過走行しちゃったら運を天に任せて乗り続けた方がいいとのことでした。決してメカトロ的に優れてきたので交換しなくてもいいようになった!っというわけではないので永く乗り続けたければ4万キロ程度毎の交換がオススメだそうです。
ちなみにその会社では、現在使用中の車を永く乗りたいと考えている方向けに、ミッション洗浄作業をしてくれるそうです。
ATFの交換時期を逸してしまった方におすすめだそうです。
料金は5~6万円くらいだそうです。
頼もうかな・・・・
今更4Mの前期型ディーゼルターボを購入するなら燃料を抜いて見ろ!
前期型DTで最も怖いのは噴射ポンプの不具合!噴射ポンプの交換暦が無いと・・・・
■信号待ちなどで突如エンジンが止まる
■再始動が困難。でも10分くらい経つとなぜか普通にかかる
■朝一のエンジン始動が困難(マフラーから白煙が出る)
こんな症状が出ます。その当時はなぜそんな症状が出るのかよく解りませんでしたが、どうやら
噴射ポンプとタイミングチェーンを結んでいるシャフトとオイルシールの形状が悪い↓
燃料にオイルが混ざる↓
オイル混じりの燃料が燃料タンクに戻る↓
再度噴射ポンプに供給される↓
更にオイルが混ざった燃料が燃料タンクに戻される・・・・
の繰り返しで、タンク内のエンジンオイルの濃度がどんどん高くなって、燃料フィルターを詰まらせ上記のような症状が出るというようなコトを、ある修理工場の社長さんから聞きました。
つまりオイルシールが悪いということなんでしょうね。ちなみにその社長さん曰く
「本来はそのオイルシールはテーパーがかった円錐形の物が使用されるべきところにずんどうというか円筒形のものが使用されてしまったために、シャフトの角の部分でしかシールドできていない。だからその角の部分が磨り減っただけでオイルが噴射ポンプ内に進入してくるんだよ」
って言ってた。納得。更に
「そういうクルマは燃料タンクから燃料を抜くとビックリするくらい黒いドロドロした燃料が出てくるよ」
前期型ディーゼルを購入する時は整備記録を見るべし
要は前オーナーが噴射ポンプを交換していれば、前期型スペースギアでも安心して購入できるわけです。もし整備記録が無かったらボンネットを開けて噴射ポンプを見てみよう。もし辺りと比べて明らかに噴射ポンプだけ新しければ買いになります(^^)
噴射ポンプを交換した記録も様子も無く、走行距離が伸びていれば・・・・チョッと怖いかな^^;
まぁ原因が上記のようであれば、消極的な方法ですが一度満タンにしたらタンクがカラになるまで走ってまた満タンにするような乗り方であれば、シールの劣化加減にもよりますが、とりあえず燃料内のオイル濃度はあまり上がらないかもしれない・・・・
いや、やっぱりそんな妥協はいけませんね。やっぱり前期は噴射ポンプの交換です!
平成9年~10年式は気をつけろ
後期4Mは突然切り替えたわけではなくたぶん・・・9~10年にかけて徐々に切り替えられているようです。たぶん・・・ですが・・・
っていうのはパジェロで、見た目マイナーチェンジ前なのに後期4M積んでいる固体を見たことあるから。ま、それだけならいいんですがそういう固体って
調子悪い固体が多い
どんなふうに調子悪いのかは僕も知らないんですが、そうして泣く泣くスペースギアを手放している方数名知ってます。ディーラーに出しても直らないんだそうです。
そういう方って大体9~10年式。で、不思議と11年式以降にはそういう不具合が無い。これはたぶん・・・ECU?
たぶんエンジンが・・・煮詰まって無かった?
メーカーが前期型の惨状にまいってしまって後期型の投入を急いでしまった?
僕はそんなふうにかんぐってます。
今調子いいんならいいんです。もし9~10年式乗っている方いたらごめんなさい。何も無ければいいんです。たぶん不具合が改良されているモデルだと思うんで。
ただそういうかわいそうな方がいたというだけなんで。ただこれから購入を考えていらっしゃる方がいるのであれば
保障のしっかりしたお店で購入してくださいね。
何も無ければ最高のクルマですよ