クルマ好きの仲間も整備屋さんもオレに気を使ってか?表立ってしゃべらないけど・・・まぁ三菱はだいぶキライな様子です・・・(苦笑)
この記事ではなぜ三菱は嫌われるのか?その理由は何か?環境問題と自動車、などについて思うまま書いてみました。
三菱自動車って個人的にはだいぶイイところあると思うんですけどね。
いまだ信頼を得られない三菱自動車
永いことデリカスペースギアなんてクルマに乗っていると
「何でクルマ変えないの?」とか「そのクルマのドコがイイの?」
とか色々言われます。以前は少し説明したこともありますが、その時の相手の反応は
「ふ~ん・・・・」
決して同意しているとは思えない反応。僕にそういう質問を投げかけてくるのは大体がトヨタ系やホンダのユーザー。要は
「なんでこんなにも素晴らしいトヨタやホンダに乗らないんですか?」
って言ってるんでしょうね。
隠蔽体質の三菱
一般の人が三菱の車を嫌う最も大きな理由は平成12~13年頃に起きた“リコール隠しの発覚”が理由の一つではないでしょうか。
製造した車の欠陥が原因で事故や死亡事故さえも起きていたにもかかわらず、リコールの届出もせずその責任も当初は一切認めなかったんです。
でもこの事件、特に死亡事故は三菱自動車ではなくて系列会社の“ふそうトラックバス”による事件だったんですが、三菱自までもが忌み嫌われるようになったのは三菱自にも同じような体質があったからでしょう。
事実平成6年から発売されていたデリカやパジェロの前期型4M40ディーゼルにはエンストして再始動不能になったりターボがイカれたりといった故障や不具合が頻発していたにもかかわらず三菱は顧客に対して真摯な対応はしなかったようですからね。
「こんなのクレームだろッ」「欠陥だろッ」
っとディーラーに詰め寄ってもラチ開かず、メーカーの“お客様相談センター”に電話して抗議してようやく無償修理に持ち込んだ!
なんていうネットの書き込みが当時はたくさんありました。
欠陥は三菱に多いのか?
実は僕は決してそのようには感じません。
三菱のリコール隠し事件の時に公開されたデータも他社と比較しても決して多いものでは無かったという報道を見ましたし私も現在自動車関連の仕事をしていますが、三菱製の自動車に特別多く欠陥や不具合を見るなどと言うことはありません。
むしろ他メーカーの自動車に三菱以上の不具合や欠陥を見出すことが時々あります。
仕事の関係上色んな自動車ディーラーの関係者と雑談することなどありますが、たまたまあの頃の話になると
「三菱は隠さなきゃよかったんだよなぁ。ドコのメーカーにもある事なんだから」
と言います。実際他メーカーの車を見ても
- 伝統的にシリンダーヘッドが弱くてスグにクラックの入るディーゼルエンジン
- 伝統的にミッションが弱くて小型車から最高級車までミッションが突然死するメーカー
- ドアの建て付けが悪い、エアフロが逝く、エンジンがかからなくなるなど
どう考えてもリコールばりの重大な不具合なのにリコールにしなかった事象は、ドコのメーカーにもあります。
なぜ三菱自だけ信頼を失った?
たぶん平成3年ごろから売られた2代目パジェロや平成5年ごろから売られたデリカスペースギアが会社の規模のわりに売れ過ぎたのが原因じゃないのかなぁって思います。あの当時のパジェロなんか一種
“憧れの車”
でしたからね。今でこそ不具合を放置すると後に甚大な結果を呼び起こす事を知っているのでメーカーの対応も早いようですが、あの頃の三菱自は生産するのに精一杯で、
- 不具合の情報を吸い上げて
- 原因を究明し設計変更して
- その情報を生産現場に伝える
そんなような体制が機能しなかったのではないでしょうか。
三菱自は自社の生産する自動車の不具合を放置したばかりではなく、不具合による顧客の訴えや被害にも目を背けたので三菱自のユーザーは
一気に逃げ出した
のでしょうね。あれから20年近く経過しているにもかかわらず未だに三菱自を毛嫌いする人は多いです。
では三菱自の車はダメ車か?
私は決してそうは思いません。三菱車全体的にですが特にスペースギアに関してはそのコンセプトや考え方が
非常におもしろい
他社はどうしても売れ筋のデザインや機能を模倣してしまうのに対して一種独特のデザインや機能を導入するところも好きです。
例えばスペースギアは未だに遠くで走っていてもスペースギアだとわかりますし
“本格クロカン系のステーションワゴン”
というスペースギア最大の特徴の車は世界を見渡しても
「他に無いんじゃないか?」
って外車好きの友人が言ってました。意外に独創的なんですね。
そのようなクルマに惹かれてしまった以上、自分でそのクルマの欠点や欠陥に向き合いながらこのクルマを楽しむしかないと思っています。
アイデアはいいが寂しい造り
せっかくウォークスルー(前席から容易に後部座席に行ける)の車内なのに一番邪魔なところにトランスファーのレバーがニョキッっと出てる(残念)
リンクを介して別な場所から出すとか電動式にするとか何とかならなかったんでしょうか。
予算の都合上か?パジェロのエンジンをどうしてもそのまま載せたかったんでしょうね。
プラスティックの素材をケチったのか?センターコンソールは知らないうちに割れてくるしリアハッチのガラスの縁のコーキングは割れてくるしクラクションは鳴りっ放しになるしODスイッチはスグダメになるしスイッチ類のバックライトはスグ切れるし塗装表面のラッカーは傷んでくるし足回りの部品の消耗は早いし・・・・
要は安物部品を多用しているような気がします。こういうつまらない故障や不具合で評判を落としているとしたら・・・・もったいないですね。
でも不思議とパジェロではこういうことが無いんですよねェ。なぜなんだろう・・・
整備士が嫌う理由は何?
一般ユーザーだけではなく実は整備士の方々からも三菱自が嫌われているのをご存知の方は少ないかもしれませんね。理由はよくわかりませんがたぶん・・・
不具合の原因が想像の域を超えているから
ではないか?って思ってます。
以前私のスペースギアのエンジンが朝一にかからなくなりました。スグに近所の修理工場へ修理の依頼をしましたがその修理工場では原因がどうしても判らないので「ディーラーへ修理に出してもいいですか?」っと電話が来たので「OK」と返事をしました。
その後ディーラーにて色々やってみたりECUをメーカーに送り点検してもらったりしたようですが“異常なし”
ディーラーから電話が来て
「故障の原因はまだハッキリわかりませんがもう噴射ポンプしか考えられないので噴射ポンプのオーバーホールを行ってもよろしいでしょうか?」
と言ってきたのでOKしました。
エンジンがかからないという故障修理に1ヶ月かかりましたが愛車が戻ってきたのが3月の終わりごろ。その後半年ほどはエンジンはかかっていましたがその年の10月ごろ、朝の気温が8℃くらいに下がった時に
またまたエンジンがかからなくなりました。結局直っていなかったんですね。
原因は何だったのか?
修理工場でも原因が判らないまま”噴射ポンプのオーバーホール”という高額修理を行う羽目になったので、今度は自分で対応することにしました。
“一時は直った。しかし寒くなってきたらまたかからなくなった”
“クランキング時はマフラーから煙が出ない”
このようなことから考えて
燃料ホースからのエア噛み?
と、思ったので燃料タンクからボンネット内まで来ている金属ホースから噴射ポンプまでの全てのゴムホースとホースクリップを交換してみました。
その後エンジンはかかりましたが今後どうなるかわからないので様子を見ることに。ちょうどその年の冬は寒い冬で最も冷え込んだ日は-18℃ほどに冷え込んだ日もありましたがエンジンは元気に始動。
その後8年ほど経過していますが全く異常無しです。結局原因はゴムホースとホースクリップ!
だったんですね。
プロはなぜ解らなかった?
どうしても補機類やECUなど難しい部分を疑ってしまい、ただの燃料の通り道であるホースが劣化して”エンジンがかからない“などという致命的な不具合が生じるなんて考えられなかったのかもしれません。
事実プロが色々やった上でエンジンがかからなくなっているので私もホースを疑いましたが、当初はホースが原因とは想像もしませんでした。
でもゴムホースだって経年劣化で硬化してきて伸縮性が失われてくると接合部などから燃料が漏れたり空気が混入したりすることは十分に考えられます。
今まで何度か自分で燃料フィルターの交換でゴムホースを着脱していますから、その作業によってホースの差し込み口が緩くなり⇒⇒⇒⇒⇒燃料系統の中で位置的に最も高いところにあるプライミングポンプと緩くなったゴムホースの接合部分から空気が入り込む・・・
そんな可能性は十分にあるんですよね。プロの整備士の方はある一定の症状の時
「あぁ~・・・~が悪いんだな」
と、メーカーや車種問わず大体不具合の原因と箇所が特定できるもののようですが、三菱車の場合今まで蓄積してきた知識と経験がなかなか当てはまらなくて苦労する事が多いので・・・
“三菱はキライだっ!”
っとなるようです(笑)
スペースギアはヤメといた方がいい?
異様に高いキャビン。馬力のあるエンジン。優れた雪道性能。DIYで対応できる意外に簡素で解りやすい造り。
もうこの車から離れられなくなってます。
このD:4はレースの出場経験は無かったかもしれませんが基本的にラリーなどのレースで使えるように作ってあるのかもしれません。
そう思えるのは実際に自分で足回りなどの重整備を行ってみると、油圧プレスなどの設備が無くてもハブベアリングの交換まで行えるから。
レースの最中にクルマが故障しても現場で修理しなければいけないのでそういう造りになっているのかなぁなどと考えています。
ただライバル車のハイエースやグランビアの場合は経年劣化が進んでも乗り心地やドライビバリティがそれほど低下しないような気がするんですね。
手間がかからないのはやっぱりハイエース・グランビアかもしれません。
真の“エコカー”実は少ない
スペースギアから少し話が離れますが、現代はエコカー全盛の時代です。エコカーの定義は
- 有害物質を出さない。少ない。
- 省燃費
具体的には“ハイブリッド車”や“電気自動車”“エコディーゼル”“燃料電池車”などで自動車メーカーは対応しています。
色んなパワートレーンがありますが国によってそれぞれ普及の度合いが大きく違うような気がします。理由は色々あると思いますが
環境問題に対する認識と排ガス規制
が国ごとに違うのも理由の一つではないでしょうか。例えば日本(東京)ではPM(粒子状物質:昔石原都知事が記者会見の席でコップに入ったPMをぶちまけたのは有名ですね)に厳しいですがアメリカでは光化学スモッグの原因にもなるNOx(窒素酸化物:VW不正で操作された物質です)に神経質です。
対する(と言っていいのかどうかはわかりませんが)ヨーロッパでは、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の排出量がガソリンエンジンと比べて少ないという理由で従来の排ガス規制+ディーゼルエンジンで環境問題に貢献しようとしています。(結構昔からヨーロッパはディーゼルエンジンの車が多い)
ところがディーゼルエンジンの場合PMやNOxを減らすのは結構大変らしく、特にPMに関してはベンツやBMWでさえ東京の排ガス規制に対応させるためには“ろ過装置”を使わずにはいられないようです。
私はこの排ガスの“ろ過装置”が嫌いです。
ディーゼル乗用車はもとより大型トラックまでほぼ全てのディーゼルエンジンの自動車に取り付けてあるのですが、ろ過されるのが“スス”ですから当然徐々に排ガスが通過できなくなるほどに詰まってきます。
詰まってきたら電気的な熱でススを焼き落とす。それが“PMろ過装置”の働きなんですが技術の発達した現代のクルマのわりには“前時代的装置”だなぁ~と思うわけです。
今はマツダと三菱が光る☆
世界中のディーゼルメーカーが“尿素”や“触媒”で有害排気物を処理しているのに対して現在のマツダのクリーンディーゼルには
尿素も触媒も存在しません。
有害物質は全てエンジン内の“燃焼”で解決しているんですね。余計なものは何も無いのにPMに関して世界一厳しい
東京の排ガス規制もクリアしています。
こんな技術を持っているのは世界中でマツダだけではないでしょうか。更に日本ではあまり知る人も乗る人も少ないようですが
三菱の“アウトランダーPHEV”は秀逸です。
ハイブリッドに関してはトヨタのように”エンジンを電気モーターでサポートするタイプ”が現在の主流ですが、燃費性能はどのメーカーも大体30km/ℓ台です。
対する三菱のアウトランダーPHEVはモーターをエンジンがサポートするタイプで燃費性能も60km/ℓ台とトヨタが主導するハイブリッドシステムのほぼ2倍の燃費性能です。しかもモーターだけで60kmほど走行できるため行動範囲が60km以内なら
ほぼガソリンを消費しません。
自動車業界では近い将来ハイブリッド車はほぼ全て“PHEV(プラグインハイブリッド)”になる
と言われています。そういう意味で三菱のアウトランダーは“先んじている”と言えるわけです。実際環境問題に敏感なヨーロッパではこのクルマがよく売れているらしいです(その後、高級車メーカーで似たような車が発売されています)
ただしPHEVですので自宅で“充電”する必要が出てくるかもしれませんが、現在はガソリンスタンドはもちろんホームセンターなど、あちこちの商業施設で充電できます。
”環境問題と自動車”というテーマを量産車で一つのお手本を世界に示しているのがトヨタでもホンダでもなく、かつては
“マツダ地獄”とか“リコールの三菱”
と、忌み嫌われたメーカーが示しているところが不思議な感じがしますが、本当に良い車に乗りたければそれぞれのメーカーに対する偏ったイメージを払拭する必要があるのかもしれません(とくにここ数年のマツダに対するイメージはガラリと変りましたね)
個人的には今のD:5を純正で車高を上げてマツダのようなクリーンディーゼルか、アウトランダーのようなPHEVシステムのデリカが出たら即買いたい!
そんなふうに思っています。