ガソリンスタンドも意外に難しい廃油の処理。古いガソリンの廃棄や処分ってどうしてます?

ガソリンや軽油・灯油など、普段使用する燃料で古くなったものを処分したい時ってありますよね。

この記事ではそんなガソリンなどの処分のしかたについて危険物乙4取扱責任者の管理人が考える処分の仕方と、実際業者はどうしているか?などをこの記事で書いています。

また最後の方では、多少なりともガソリンなんか持ってる以上は、消火器持ってないとヤバイって、真剣に思っていましたのでこの辺について最後に少しだけ書き足しました。

ガソリンはしっかり抜いてしっかり保管

混合されていない単体の油類は法律の範囲内で(ガソリン:40ℓ、軽油:200ℓなど)所有できますが、その油類を布で拭き取った瞬間からその布は

産業廃棄物

としての扱いになり、各都道府県で定められた方法で廃棄しなければいけないので、めんどくさい。

なので余ったガソリンは機械から抜く。抜いたガソリンは金属容器に入れて密栓する。しっかり保存すれば次回も使えるので使う。

こんな流れでガソリンを使うのがいいと思います。

劣化したガソリンでエンジンかけない

ま、農家なんかやってると草刈機とか耕運機、チェーンソーに除草機、除雪機に発電機などガソリンエンジンの機械けっこうあります。春になるとだんだん使うようになりますが

ついそのまんまエンジンかけようとしてしまいます。

冬仕舞いに古いガソリン抜いた方がいいのは知っているんですが・・・めんどくさくてねぇ(苦笑)

毎年だましだまし使ってますが経年劣化と思しき不調は・・・あります。

一番体感するのはエンジンのかかりの悪さ

リコイルスターター軽く一回引っ張っただけでかかっていたエンジンが5回6回。次第に何度引っ張ってもかからなくなります。

スパークプラグを交換したりキャブレターを掃除したりすると一時的にかかりやすくなりますが、だんだんかからなくなります。

ガソリン劣化の原因は残留成分

ガソリンは燃える成分(炭化水素)が揮発して燃えないオクタン価調整剤や着色料などがそのままキャブレターやエンジン内部に残るのでエンジンが汚れ、始動できなくなるのだと考えています。

大容量の自動車ならともかく小型の機械には少量のガソリンしか給油されないので、その機械を使用しないまま数ヶ月放置すれば機械のエンジン始動に影響が出るのは容易に想像できます。

やっぱり機械というものは説明書通りに使用しない期間はガソリンを抜いておくと、購入時のようないい状態をいつまでも維持できます。

劣化した燃料は着火しずらく、エンジンがかかってもススなどを発生させ、スパークプラグや燃焼室、バルブのステムシールやマフラー内部などを汚して

エンジンが本来持っている性能を出すことができません。なので使用するシーズンが終わったら

燃料タンクとキャブレターに残っているガソリンを全て抜き取り、新しいガソリンは次のシーズンに入れて使うのが最もいいのです。でもその時に抜き取ったガソリンや古いガソリン

・・・どうしましょう。

「ガソリンスタンドに頼める」はウソ

よく「ガソリンスタンドに廃棄を頼めるよ」なんて聞きますがあれは正確じゃありません。ガソリンスタンドで何かいい方法で廃油を処理するわけではなくて、たまった廃油を集めている業者さんに引き渡すだけなんですね。

廃油を回収して回っている業者さんはガソリンスタンドや修理工場、リサイクル工場などを回って廃油を回収して回っています。でも実は彼らが欲しいのは廃油となったエンジンオイルや軽油などであって・・・

ガソリンは欲しくないんです

なぜガソリンが欲しくないのか?

なぜ?って・・・燃えやす過ぎるので危ないんです。

回収した廃油を卸す先はだいたい“ボイラーの燃料”として使うのでガソリンが多く含まれていると困るんですね。

なので回収する人たちは回収する前に廃油の臭いを嗅いだりする等して、廃油内に多量のガソリンが含まれていないか?どうかをチェックしています。なぜなら回収先の事業所がガソリンの処分に困ってこっそり大量のガソリンを廃油に混ぜていることがあるからです。

なので、変な言い方をすればガソリンの処分に困っているのは実はあなただけではないんですね(笑)

古いガソリンの処分の仕方

少量であれば布などに染み込ませて、乾して通常のゴミとして処分するというやり方もありではないでしょうか。

また、普段から自分でオイル交換を行って廃油を保管しているならその廃油に混ぜるかガソリンスタンドや修理工場にお願いします。

しかしお願いするのが“ガソリン”っとなると実は誰も喜びません。ですから先ず最も大事なのは・・・

ガソリンは常に使い切る

ということです(笑)せっかくお金を出して買ったガソリンをむざむざと捨てることはありません。

で、オススメなのがガソリンにワコーズのフューエルワンを添加して使うこと。

この燃料添加剤を添加したガソリンを使っていると、使い終わったまま一冬放置しても翌年の春、エンジンが

普通にかかります

前年余した燃料が多くてもこの添加剤入りのガソリンならクルマに入れてもOK!

ただ少し注意もあって、機械から抜いたガソリンをクルマに入れる時はザッとそのまま全部入れないで、何か容器にとって上澄みだけ入れてください。

底に沈んでいるゴミまで一緒に入れないように。

ホワイトガソリンはどうする?

キャンプでランタンなどの燃料として使うホワイトガソリンって奴ですが、コレはガソリンスタンドで売っているレギュラーガソリンとはちょっと違ってて

純度が高い

よけいなものが入っていないので実は自動車用のガソリンよりも全然保存が利くようです。

とはいえやっぱり古過ぎるとホワイトガソリンだって処分が必要になるでしょう。できれば捨てるよりもいっそ調理器具として使ったりランタンの火を見てリラクゼーション効果を期待するなどして使い切った方が経済的ですね(笑)

先に農機具などで余ったガソリンは自動車などに入れちゃいましょう的なこと言いましたが、ホワイトガソリンがレギュラーガソリンと明らかに違うのは・・・

オクタン価

レギュラーガソリンが85程度に対してホワイトガソリンは50程度。通常のガソリンより燃えやすいんです。

ん?燃えやすい?

実はガソリンってオクタン価が高いほど燃えにくいってこと、知っている方は少ないかもしれませんね。

例えばハイオクガソリンはレースで使うほどですから燃えやすいようなイメージがありますが、逆にレギュラーガソリンやホワイトガソリンよりも燃えにくいです。理由は圧縮圧と燃焼のタイミング。

想定された高圧縮圧まで燃えないでしっかりガスでいられるようにする添加剤が入っているのがハイオクガソリンなんですね。

オクタン価向上剤

ホワイトガソリンも少しくらいならクルマに入れてしまってもいいと思いますが、量が多くて燃料タンク全体のオクタン価が変ってしまってはいけませんので、多量のホワイトガソリンを自動車などのガソリンエンジンに投入する時はオクタン価向上剤を添加してからクルマに投入した方がいいかもしれませんね。

どうしても廃油にしたい

もし機械や自動車にどうしても投入できない劣化したガソリンがある場合は、ガソリンスタンドや自動車ディーラー、修理工場、解体屋さんなどに相談してみてください。20ℓ以下であれば、積極的ではないかもしれませんが相談にのってくれるかもしれません。

ちなみに彼らがどうやって処分するかというと、結局エンジンオイルなどの廃油に混ぜるんだと思います。多少はガソリン混ざってても回収業者は

「・・・しょうがねぇなぁ」

ってなもんでしょう。廃油の回収業者も競争ですからねぇ。取引先は大事です。

回収しに来てもらう

自分で回収業者さんにお願いする事もできますよ。

ドラム缶にオイル交換などの廃油や天ぷらで使った食用油などを溜めておいて、満タンになった時点で回収業者に連絡して来てもらいましょう。

少量では無理ですがドラム缶一本にもなれば回収業者さんは喜んでローリーで吸いに来てくれますよ。

ただしガソリンの濃度が高過ぎると拒否されると思うので注意してください。目安はたぶん・・・

10%以下?

ちなみに空のドラム缶がどこにあるかというと、自動車ディーラーやガソリンスタンドの裏手に捨てるほどにいっぱいあります(主にエンジンオイル用)

「くれッ」っと言えばタダでくれるかもしれませんし、逆にいくらかくれって言われるかもしれません(笑)

最初っから缶コーヒーでも買って行けば話が早いかな(笑)

もちろん自分で持ち帰らないといけませんから軽トラのような積載できるクルマで行きましょうね。

油類をその辺に捨てては絶対にダメ

ちょっとぐらいなら・・・

そんな衝動に駆られることもあるでしょう。でも、その辺に投棄するのは絶対にダメです

「油が漏れ出てるようだ」

などと消防などに通報が入れば、消防と警察と保健所と市町村の担当者が一堂に会することになるでしょう

その騒がれように驚いて腰を抜かすかもしれません

道路にポタポタ垂れてても

用水路に少量油が浮いてても

彼らは必ず、間違いなく流出元までやってきます。なぜならそれぐらい油類の流出というのは重大な事件だから

油類の不法投棄は絶対にダメです

ちなみに流出や投棄がばれると水面は吸着マットなどを使った回収、油類の浸透した土は通常の土との入れ替えなどが必要になり、その賠償額でも・・・

腰抜かすかも

消火器設置のすすめ

たぶんこのサイトに来る方、このページを見ている方ってけっこういろいろやってる人だと思います(ニヤリ)

だからガレージの中にガソリンとか他の可燃物とか、あと口外できないようなモノとか色々・・・あるでしょ?(笑)だから・・・

消火器置いときましょ。何かあってからでは遅いので。

特にガソリンって私たちが想像する以上に、本当に恐ろしい液体です。消防法では一般家庭では40ℓしか保管が許されていません(40ℓでも恐ろしい)

ご存知だとは思いますがその40ℓ・・・いや、1ℓにでも引火しようものなら、今まで見たこともない、全く想像したことのない、想像できないほどに、カラダが凍りついて動けなくなるほどまでに燃え上がります。本当ですよ(当管理人は業務でガソリンを燃やしたり、心ならずもガソリンに引火させてしまったことがあります)

自分的に安全と思う場所にいたとしても衣類や髪の毛など燃えるかもしれません。そして恐怖なほどまでに厄介なのが・・・消えない

水なんかかけたって炎は小さくもならない。むしろ大きくなる。広がる。ナフサ成分が燃え尽きるまで絶対に消えないんです。唯一ガソリンの炎を俊足で消せるのは・・・

ABC消火器だけ(※)

でも皆さんこのABC消火器を嫌がるのは・・・消火後の後片付け。でしょ?

ピンク色の粉で当り一面粉だらけ

もはや終わった・・・そんな悲しい現場の感じになります。でも今は

蓄圧式

っていうイイ物があるんです。この蓄圧式ABC消火器ならレバーから手を離すと消火剤が止まる。十分なくらい消化剤をかけたら粉を止められる。なので

後片付けがラクぅ~

蓄圧式のABC消火器をガレージの入り口付近と作業場所付近に必ず設置しましょう。いいですか?

《蓄圧式》

ですよ

※ABCは全ての火災に適合の意

※蓄圧式かどうかは販売ページや消火器本体にも表記がある

※レバーのところに圧力メーターがあるのが蓄圧式の特徴

※消火剤が全部出ちゃうのは加圧式。この種は圧力メーターが付いていない

※ガソリン火災に関しては強化液よりもABC粉末のほうが良い

※1本目で消し切れなかった時のために2本用意しましょう

※家族のために備えましょう

※万が一火傷したらとにかく急いで、すぐに水道や氷などを使って20分ほど冷却冷却冷却急いで冷却冷却冷却死ぬほど冷却冷却冷却・・・・冷たすぎてつらくてあぶら汗が出るほど必死に冷却に励むと・・・

不思議なほど火傷が軽快します。本当です。